管理職が身につけたい LEAD 思考法
「また気を付けよう。」
金融機関で事務ミスやクレームが発生したとき、この言葉で終わってしまう場面を何度も見てきました。
もちろん、注意喚起は必要です。
しかし、それだけでは同じミスは必ず繰り返されます。
私が現役時代、事務品質管理やクレーム対応を担当していた頃、常に頭の中に置いていた考え方があります。
それが LEAD です。
L:Listen(まず現場の声を聴く)
問題が起きると、多くの管理職はすぐに答えを出そうとします。
しかし、本当に必要なのは「担当者、部下の話を聴くこと」です。
・担当者は何を見ていたのか。
・どこで迷ったのか。
・なぜその判断になったのか。
・本当に困っていたことは何だったのか。
現場には、マニュアルには書かれていない”事実”があります。
原因は書類ではなく、現場の声の中に隠れていることが少なくありません。
E:Explore(深く掘り下げて考える)
話を聴いただけでは、本当の原因は見えてきません。
「なぜ?」
「それはなぜ?」
「他にも要因はなかったか?」
「真の原因はなんだったのか」
一段と深く、そして更に深く、掘り下げることが重要です。
例えば、
「担当者の確認不足」
という結論では終わりません。
・確認する時間がなかったのか
・手順が複雑だったのか
・教育不足だったのか
・他部署との連携に問題があったのか
・環境に問題はなかったか
問題の背景まで掘り下げて初めて、本当の原因が見えてきます。
A:Analyze(分析し、考える)
ここが最も重要なステップです。
私は「分析」とは、単にデータを見ることではなく、
“どうすれば二度と起きないかを考え抜くこと”
だと思っています。
同じミスでも、
・仕組みの問題なのか
・教育の問題なのか
・役割分担なのか
・チェック体制なのか
・執務環境なのか
・スキル不足なのか
によって打つべき手はまったく変わります。
目の前の現象ではなく、「組織の弱点」を見つける視点が求められます。
D:Do(改善を行動に移す)
原因が分かっても、行動しなければ何も変わりません。
改善策は、
・マニュアルを直す
・帳票を見直す
・フローを変更する
・ダブルチェックを改善する
・教育をやり直す
・環境を改善する
など、小さなことで十分です。
重要なのは、「考えて終わる」のではなく、「実際に変える」ことです。
改善が積み重なることで、組織は確実に強くなっていきます。
管理職の役割は、人を責めることではなく仕組みを育てること!
金融機関では、一件の事務ミスが信用問題につながることがあります。
だからこそ、
「誰が悪かったのか」
ではなく、
「なぜ起きたのか」
そして、
「どうすれば二度と起きないか」
を考える文化が重要です。
LEADとは、
→ Listen(聴く)
→ Explore(掘り下げる)
→ Analyze(分析し、考える)
→ Do(改善する)
という、現場改善のシンプルな思考プロセスです。
管理職がこの4つを意識するだけで、部下との対話は変わり、原因分析の質は高まり、再発防止の精度も
大きく向上します。
事務品質の向上も、クレームの減少も、決して特別なことではありません。
現場の声に耳を傾け、考え、行動する。
その積み重ねこそが、信頼される金融機関をつくる第一歩なのです。
ヒューマン・ビジネス・パートナーズでは、より良い職場づくりを支援いたします。
皆が明るく元気に活気のある職場を一緒に作っていきましょう。

